スズキハスラー125

 

ぱごすけが中学生の頃、テレビでは熱い正義の心を持った7人の“元 重犯罪者”たちが、スズキGT750改を駆って悪の組織ブラックスパイダーどもを次々と葬っていました。

当時唯一の水冷システムを採用した力強い内燃機関を分厚いタンクの下に搭載した巨大なバイクはとにかく美しかった。チャリンコしか乗れない中坊にとっちゃ高嶺の花でした。

ラジオの深夜放送(ナッチャコパック、桂三枝の深夜営業、ヤンタン、ヤンリク etc)を聴きながら受験勉強をしている時、ふと手にとって開いた「モーターサイクリスト」誌。そこには受験の鎖から“僕”を解き放ってくれるであろうマシンたちがキラ星のごとくならんでいました。

「バイクにまたがれば、僕はどこまでも遠い所へ行けるんだ」

当時はミニバイクもバリエーション豊かで、チビトレやダックス、バンバンなどのライトウエイトマシンも魅力的でした。一方では4in1のカフェレーサーCB400なども新しいもの好きのぱごすけの目を釘付けにしました。

最終的にぱごすけのハートを射止めたのは、スズキの小型トレールバイク「ハスラー125」

友人が同型の濃いグリーンのモデルに乗っていたのが出会いのきっかけ。私は目の覚めるような真紅のタンクの「彼女」を選びました。(とうちゃん、かあちゃん、買ってくれてアリガトな。息子がバイクに乗りたいなどと言い出した日には、さぞかし心配だったろうに・・・)

家族が寝静まった深夜、こっそりと雨戸を開けて外に出たぱごすけは、月明かりを浴びて静かに眠っているハスラーにまたがり、タンクをギュっとハグしたものでした。

ハスラーの悪路踏破能力は悪くありませんでしたが、オンロードでもクセが無く、なかなかにバランスの良いモデルであったと記憶しています。

その後、何台ものバイクに跨りましたが、やっぱり最初の彼女って忘れられませんね。

写真の下段は、当時のハスラーのライバルモデル「ホンダXL125」です。

2サイクル対4サイクル。

今のぱごすけなら・・・4サイクル・・・かな? けれど、流線型のタンク、グンとせり上がったマフラーなど、攻撃的かつ洗練されたハスラーのフォルムは今見ても惚れ惚れします。ぱごすけにとっては永遠の恋人です。