好きな時代劇 蝉しぐれ & 陽炎の辻
蝉しぐれ NHK金曜時代劇(2003年)全7話
主人公の名は牧文四郎。尊敬する養父助左衛門を理不尽に切腹させられ、ほのかな恋心を抱く幼馴染みの娘ふくは、藩の江戸屋敷での奉公が決まり、文四郎の許を去ってゆきます。やり場のない心は、ひたすら剣の道へと文四郎を駆り立てます。やがて、海坂藩に巻き起こる世継争いのどす黒い陰謀が、たくましく成長した文四郎を運命的に巻き込んでゆくのです。 竹馬の友小和田逸平や島崎与之助たちと共に、まっすぐ成長してゆく文四郎を描く、青春ドラマとしての前半。道場主より秘伝の剣技を授かった文四郎が、今や藩主の側室となったおふくとその赤ん坊を助けて大活躍する後半。恋あり、友情あり、胸のすくような大活劇ありの一大娯楽ドラマでした。 その少し前「エースをねらえ!」で、あたかも原作の世界から本当に飛び出して来たのか?と見紛う宗方仁を熱演されて印象的だった内野聖陽さんが、今度は時代劇に出演されているのがとても新鮮でした。また、このドラマで脚本を担当された黒土三男さんがメガホンをとり、05年には映画化もされました。海坂藩の自然描写と、木村佳乃さんが演じるおふくが素晴らしい作品でしたが、原作の忠実な再現には少々尺が短すぎたように感じました。
陽炎の辻〜居眠り磐音 江戸双紙〜 NHK木曜時代劇(2007年7月19日〜10月11日 全11話 60分) 陽炎の辻2〜居眠り磐音 江戸双紙〜 NHK土曜時代劇(2008年9月6日〜11月22日 全12話 30分) 陽炎の辻〜居眠り磐音 江戸双紙〜スペシャル NHK正月時代劇(2009年1月3日 1話完結87分) 陽炎の辻3〜居眠り磐音 江戸双紙〜 NHK土曜時代劇(2009年4月18日〜8月8日 全14話 30分)
江戸で文武を磨き、将来を嘱望されて帰国した豊後関前藩の好漢坂崎磐音は、共に江戸から帰った無二の親友をこころならずも上意討ちにします。しかもその友は自身の許婚の兄でもありました。傷心の磐音は許婚を残し、脱藩して再び江戸に舞い戻ります。そんな『浪人』磐音と知り合った江戸のひとたちは皆、彼の清らかな心根にほれ込んで、家族同様の付き合いをしてくれるのです。下町、金兵衛長屋に住み、両替商今津屋で用心棒の職を得た磐音の物語がこうして始まります。 見どころは、江戸佐々木道場仕込みの磐音が見せる直心影流の必殺剣です。普段はやさしい磐音の瞳に怒りの炎が灯った時、白刃一閃!金兵衛長屋や今津屋に仇なす悪人どもや、磐音たち青雲の志に燃える若人を陰謀の渦に巻き込んだ関前藩の奸物どもは、声もあげず地面に崩れ落ちるのです。 そして、ドラマを彩る3人の美女たち。磐音の許婚奈緒(演:笛木優子さん)、矢場で酔客の相手をしながら幼い兄弟の面倒を見ている金兵衛長屋のアイドルおきね(演:原田夏希さん)、そして今津屋で奉公する金兵衛の娘おこん(演:中越典子さん)。3人が3人とも磐音に惚れています。どうなるのでしょう?磐音の性格からして、最後には誰かひとりに絞らねば納まらぬでしょう。そして最後は…美しくも悲しいふたつの結末がヒロインたちを待っていました。男磐音よ。その胸の内、察して余りあるゾ!!! <<大切なお知らせです>> そうそう、これだけはつけ加えなければ! 坂崎磐音の母上、照埜を演じられたのは香野百合子さん。かつて吉田ゆりの名でウルトラセブン第37話「盗まれたウルトラアイ」に登場した、あのマゼラン星人マヤを演じられた方です。我々ウルトラ者にとってはもはや伝説の女優さんと言っても過言ではありません。当時は高校3年生でいらっしゃったとのこと。約40年経った今、益々お美しい! |