スーパー戦隊 『炎神戦隊ゴーオンジャー BUNBUN!BANBAN!劇場BANG!!』 2008年8月9日(土)より全国東映系で公開
ぱごすけ「次の戦隊は“えんじん”らしいよ」
息子「えんじん・・・サル?」(彼の脳内変換機能では えんじん→猿人 となっているようです)
そんな家庭内事情とともに始まった2008年のスーパーヒーロータイム。しかし、スーパー戦隊も仮面ライダーも共に質が高いゾ!そして当然劇場版もしかりでした。
ライダーの“常識”を吹き飛ばすような大空中戦(!!!)のド迫力に加えて、時を越えた親子の情愛が観る者の胸をうつ珠玉作「仮面ライダーキバ 魔界城の王」(モモタロスも拍手っっ!)
一方、上映時間もライダーの半分(34分)で、前座的扱いのような気がしないでもない劇場版スーパー戦隊ですが、内容的にまったく力負けしていない。TVでのレギュラー放送とそんなに変わらない尺ながら、確かに「劇場版」を見せてもらったという満足感が残る作品でした。
脚本の楽しさや火薬の量の多さもさることながら、今年もゲスト陣が多彩でした。嬉しくなります。 炎衆の3人、半田“555”健人さん、菊地“ウメコ”美香さんに加え、このシリーズ初期においてブラックのイメージを確率させた、春田“ダイナブラック”純一さんが登場。イケイケの作風においてズシリと胸に残る渋い演技を見せてくれました。かつては変身後のブラックをも演じたほどのアクション俳優であった春田さん・・・今作品では派手に動くシーンこそありませんでしたが、静かに語るセリフのひとつひとつに炎衆の熱い思いがにじみ出ていました。
ゲストと言えば、魔姫の手下怪人ふたりの声が、内田“デンジグリーン”直哉さん、松風“メガブルー”雅也さんのOBふたり。このシリーズは全編アフレコをするせいか、作品終了後声優の世界へ飛び込む方々も少なくありません。内田さんはブルース・ウィリスやハリソン・フォードなどの大物スターの声をあてていますし、松風さんもアニメ、ゲームにおいて今や無くてはならぬ存在。 今年こうしてスーパー戦隊作品に凱旋してくれたのは、ファンにとってはこの上ない僥倖。知ってる人だけが密かに楽しめるサプライズでした。
それに、サムライワールドの侍たちの中に“5万回斬られた男”福本清三さんがいましたね。炎神大将軍の戦いを見上げて「ワー!」と歓声をあげる福本さんが素敵でした。(スゴみのある人が無邪気に笑うとめっさ可愛いんです)
エンディングでレギュラーたちがテーマにあわせて踊るのはもうお馴染みになりました。劇場版では、ゲスト陣がこれに加わるのも毎年のお楽しみのひとつです。観ていて気づいたのは、ゴーオンウィングスのおふたりはダンスがとても上手いこと。特に杉本“ゴーオンシルバー”有美さんは、ノリの良さといい笑顔といい抜群でした。作品を心から楽しんでいる姿が観ている我々にもストレートに伝わってきました。
さて、テーマといえば炎神戦隊ゴーオンジャーの主題歌はもう聞きましたか?オリコンの週間シングルチャートで第4位にランクインされた名曲です。
悪を倒して正義を守れ。といった従来の主題歌とは違い、夢多き若人たちよ、過去を振り向かず、己に限界を定めず、共に手を取り夢に向かって邁進しよう!という、作品自体と同じイケイケコンセプトで統一された気持ちの良い歌です。是非CDでフルコーラス聞いていただきたい!後半の歌詞が特に素晴しいのです。
「生まれた世界は違っても、見た目や言葉が違っても、願いはつなぎあえる」
普通に口にすると恥ずかしくなってしまう直球の歌詞と、スウィングするブラスとザ・ベンチャーズばりのドライビングギターのコラボがぱごすけの中の昭和のDNAを刺激する素晴しいアレンジが絶妙にマッチして、感動の涙腺をフルオープンさせるニクい作品です。カッコイイ曲です!
激しくも細やかな愛情ドラマが深い感動を呼んだ前作「獣拳戦隊ゲキレンジャー」と異なり、カラっとドライな痛快高速活劇「炎神戦隊ゴーオンジャー」は、劇場作品をはさんでいよいよ後半に突入!目が離せません。