スーパー戦隊 『海賊戦隊 ゴーカイジャー』(2011年2月13日〜2012年2月19日)
スーパー戦隊シリーズ35作目という記念の年、現れた新戦隊ははるかな宇宙から“宇宙最大のお宝”を求めてやってきた宇宙海賊でした。
宇宙海賊?バルバンのライバルか?
冒険とロマンを求めて宇宙の大海原を行く若者たちがいた。宇宙帝国ザンギャックに反旗を翻し、海賊の汚名を誇りとして名乗る豪快なやつら。
地球の平和と人々の笑顔を守り続けてきた34のスーパー戦隊。宇宙帝国ザンギャックとの戦いで失われたその力を受け継いだのはとんでもないやつらだった。
その名は海賊戦隊ゴーカイジャー。
宇宙最大のお宝というのは、なんとかつて地球を悪の組織から守り抜いてきた歴代スーパー戦隊たちの大いなる力。
地球限定のご利益ともいうべきそのパワーがはたして宇宙最大の価値あるものなのかどうかはともかく、そういう設定である以上当然期待が膨らみます。
懐かしい多くの顔にまた会えるんじゃないかってね。♪
第1話、カレーを食べ損なって虫の居所が悪い5人は、か弱い園児や保育士たちをいたぶるザンギャック行動隊長「シカバネン」の悪辣さに我慢できず闘いを挑みます。
「気にいらねぇもんはぶっ潰せ!それが海賊ってモンだろ」
こうして彼らの戦いが始まりました。
とにかく地球を征服しようとするザンギャックの思惑とはまったく別に、彼らはあくまで海賊らしくお宝探しに没頭します。そして毎回妙にザンギャックとぶつかってしまうのです。
それにジョー、ルカ、アイム、ハカセの過去の因縁が交わり、同じお宝を狙うバスコが絡み、こちらにも鎧というアツい心の銀色戦士が加わってお話はどんどんヒートアップしてゆきます。
次々と手に入れてゆく歴代スーパー戦隊の大いなる力は、ガレオンの合体ロボ、ゴーカイオーのパワーアップアイテムとして装備されてゆきますが、中にはブラックコンドル結城凱から受け継いだ “己のうちにある恐怖に打ち克つ心” なんていうのもありましたね。
スーパー戦隊の中でもっとも宇宙海賊を嫌うであろうギンガレッドリョウマが語ったように「仲間のために自分の身を省みず走り出す」強い絆で結ばれた彼らの戦いは、見る者のハートをもアツくしてくれました。
そして最終話・・・。
「命を懸けてこの星を守る。それがスーパー戦隊ってモンだろ」
総攻撃をしかけたザンギャック軍団を前にして、マーベラスは高らかにそう言い放ちます。
この1年で彼らは変わりました。
宇宙最大のお宝よりも、人々が住み暮らすこの地球という星の存在に価値を見出してくれました。金よりも物よりも素晴らしい存在を見つけ出したのです。
カクレンジャーがそうであったように、ゲキレンジャーが、シンケンジャーがそうであったように、終わりが寂しい、名残惜しいスーパー戦隊でした。
サスケたちがネコマルで旅を続けたように、ジャンが激獣拳をひろめるために旅に出たように、ゴーカイジャーもゴーカイガレオンで旅立ちました。
(今度はザンギャックの本星が彼らに襲撃される番なのです。せいぜい肝を冷やすがよろしい。)
これからは若い俳優たちのこれからの活躍を、そして次回作「特命戦隊ゴーバスターズ」を楽しみにしてゆきましょう。