ウルトラセブン

←ウルトラセブン                               〜 ???? (なんかの回) 〜  1967年12月17日


はて、あれは何の回でしたでしょう?

実相寺監督作品であったと思います。

とても印象深い回でありました。

若い女性が突然白血球を失って倒れるという謎の連続事件。。。ウルトラ警備隊に、ある情報がもたらされます。倒れた女性たちは、全員珍しい形の腕時計をしていたのだそうです。しかもそれは地球外の金属でできているという! 調べてみると、その時計の内部には人間の血液の結晶が入っており、事件との深い関わりが考えられました。

一方、休暇をもらって友人のサナエさん宅に遊びに行ったアンヌ隊員。ところが、わざわざ会いに行ったサナエさんは「これからデートなの」と言っていそいそと出かけてゆきます。「せっかくの休日なのに、ちゃんとアポ取っとけよ」と突っ込みたくなります。しかたなくアンヌはサナエさんの弟シンイチくん(ノンマルトのシンイチくんとは違うよ)と遊んだんだとさ…アンヌ、ちょっとみじめだよ〜。

さてさて、基地に帰って来たアンヌは、件の腕時計を友人のサナエさんも持っていたことに気づき、その入手経路を探るべく彼女のデートを尾行します。(益々みじめじゃない?)そして、デートのお相手サタケ氏が怪しいと確信したアンヌは、応援にかけつけたダンと合流。 〜 緑の生い茂る公園をダンとのツーショットで歩くアンヌ。ここで一気に恋人ムードが盛り上がります。 〜気持はわかるけど…おふたりさんってば♪♪

で、ダンとアンヌは、サタケ氏が地球人の血液を狙ってやってきた、なんとかいう宇宙人であることをつきとめるのです。オオさすがだ!

一方そのなんとかいう宇宙人は、ひょんなことから女性よりも子供の血液のほうが純度が高くて良質であることを知ります。(シンイチくんがお姉さんの時計をこっそり腕にはめちゃったからね)で、大々的に「ロケットの絵を描いて宇宙腕時計をもらおう!」というお茶目なキャンペーンをはって子供たちにその時計を配ろうと目論むのです。当然阻止しようと出動するウルトラ警備隊。せっかく描いたロケットの絵を持ってきた子どもたちと押し問答になります。(おっさん、どけよ!って言ったか言わぬか…)

その時、何を思ったか突然巨大化して暴れ始めるなんとかいう宇宙人!(オイオイ、ここまでの隠密行動は何だったの?)

出動するホーク1号&3号!

ホーク編隊は善戦しますが、宇宙人の目から放たれた怪光線で3号が撃墜されます。だけど大丈夫。乗っているのは我らがダン隊員です。すかさずウルトラアイを着装し、セブンに変身!

ここからのセブン対巨大なんとか星人の戦いは、実相寺監督カラー満載!夕日を背景に両雄がジャンプして交差したり、格闘シーンでストップモーションを随所に使ったり。嬉しくなっちゃいます。

ラストは、ホーク1号に宇宙船を破壊されて空高く逃げてゆく宇宙人を、必殺のアイスラッガーが(股の間から)真っ二つに切り裂いたのでした。アウチッ!(地面に倒れこみながらセブンが投擲したアイスラッガーが、水切りのように水面を跳ねながら飛ぶ描写は、実相寺監督ならではのニクイ演出でした。)

さてさて、好きな男性が実は侵略宇宙人だったという、なかなか経験できないような大失恋をしてしまったサナエさん。夢だったと思って忘れてしまえと言うアンヌに、「いつまでも忘れずに覚えておくわ」と虚勢を張ります。ここ、見ようによってはスゴイバトルシーンです。(間違った見ようですけど)

サナエ「地球人と宇宙人が信じあえる日がいつか来るにちがいないわ」(一般人に言えるセリフではありませんね。 ^_^;)

ダン「必ず来るよ。M78星雲から来たボクがこうしてここにいるのだから」(これは絶対口に出したセリフではないでしょうが・・・)

大きな夕日を背にした彼らのシルエットがとても美しいエンディングでした。

忘れられないことがもうひとつ。アンヌの友人サナエさん役は、何と桜井“アキコ”浩子さん。明るくはつらつとしていたQの由利チャンやマンのフジ隊員とはひと味違う、健気な悲恋のヒロインを好演していました。今や押しも押されもせぬウルトラヒロインふたりがこれほど正面きって並び立つエピソードって、今でも珍しいと思います。それにしても実相寺監督はこの女優さんが好きだなぁ。

群がる子供たちを前に、しんぼたまらなくなって思わず巨大化しちゃったおバカな宇宙人のデザインが、な〜んかいまひとつって印象は否めませんでしたが・・・全体を通して「愛と信頼」という大きなテーマが据えられた秀作であったと記憶しています。

はてさて、何の回だったのでしょう?