ウルトラセブン 祝!生誕40周年
1967年(昭和42年)10月1日 〜 1968年(昭和43年)9月8日 TBS系 毎週日曜日19:00〜19:30 (全49話)
キャプテンウルトラたちの活躍で、宇宙に平和が戻った時、今度は地球が侵略者によってピンチに陥ったのです。そのピンチを救うべく颯爽と登場したウルトラセブン。何といっても活動時間が3分以上ある!これは頼もしかった!それにモロボシ・ダン自身が宇宙人であるため、ウルトラ警備隊員たちが知らないことまでよく知っていること。彼さえいれば、地球は安心だぁ!私は心の底からそう思いました。 さて、私はウルトラマンとウルトラセブンが、ルックスはともかく、何となく似かよった存在であるような気がしてなりませんでした。なにせ同じM78星雲から来たのですから。(と言っても同じ星、同じ国、同じ町内とは限りませんが・・・)これに関しては、桑田次郎さんの手になるセブンの連載マンガを参照していただきたいのです。その冒頭で、セブンはウルトラマンによって地球のすぐそこまで連れてきてもらっています。ウルトラマンが地球を指差して「あれが、君がこれから守る地球だ」とセブンに示すシーンがありました。「やっぱりウルトラマンとセブンは顔見知りだったんだ!」当時小学校2年生の私は、我が意を得たりという思いでした。本流である映像作品とは違うマンガの世界とは言え、ウルトラ兄弟などという概念が全く無いこの時期、ウルトラマンとセブンの直接の接点を描いた、とても貴重なひとコマだったと思います。 セブンは武器のデパートのような超人です。とにかくいろんなポーズからいろんな光線が出るわ出るわ!子供の私にもとても覚えられるものではありませんでした。(当時はすべての光線に名前がついていたわけではなかったと記憶していますし)実際知っていたのはエメリウム光線とアイスラッガーだけでした。(ワイドショットとか、本当に当時からネーミングされていたのでしょうか・・・?)特に印象的だったのは何と言ってもアイスラッガー! 初めて目にした時は、「鉄人と同じ頭しとる・・・」と思いましたね。友達の誰かが「ちょんまげ付けとる」などと不届きなことを言ったのを覚えています。(あわれにも、まわりの同級生たちから一斉に「ちょんまげ違う!!」と突っ込まれていましたが・・・) しかしそのちょんまげは、一旦セブンの手によって投擲されるや、光となって飛翔し、敵のそっ首たたっ切る恐るべき宇宙ブーメランだったのです。私は快哉を叫びました。いや、ほんと。
そうそう、平成セブンで、セブンの新たな姿となるカザモリ隊員は瀕死の重傷を負い、このカプセルの中でずっと治療されていたのではなかったでしょうか?ああ、私も入りたい。癒しのふるさと、セブンのカプセルへ!
セブンには、子供心にも「触れてはイケナイ」と非常に気を遣った場面があります。「地底GO!GO!GO!」マグマライザーが大活躍する回、そしてダンの秘密が明らかになる重要な回でした。 友人と登山していて事故に遭った薩摩次郎クン。友人を助けるために自分のザイルを自ら切って崖から落ちてしまいました。そんな次郎クンを助けたのが、地球へ着いたばっかりのセブン。次郎クンの尊い自己犠牲の精神に心打たれたセブンは、自分の地球上での仮の姿は是非この青年のものを・・・と、次郎クンの容姿をそっくりいただいちゃったのでした。ということは、当然次郎クンはダン隊員とうりふたつ(いや、逆か)なのですから、落盤事故で坑道に生き埋めになった次郎クン救出のためにダン隊員が現場へ到着した瞬間、まわりの人たちが一斉に「あっ!次郎だ!!」と大騒ぎになるでしょう。(いくらヘルメットを被っていたってさ)だけど誰も気づかない。当のダンも顔を隠そうとはしていない。しまいには救出された次郎クンが担架に乗せられ、ダン隊員が傍らに。それでも誰も気づかない。これは一体どうしたことじゃ・・・?
「顔見知りだった」ウルトラマンとウルトラセブンの大きな違いはそのファイティングスタイルにあります。 手をゆるやかにひらいて、前傾姿勢で構える(柔道的な)ウルトラマン。かたや、すっくと立ち、拳を握って正対する(打撃系的な)セブン。(決して古谷さんと上西さんの話をしているのではないのですよ ^^;) 登場するや、いきなり怪獣に飛び掛かるウルトラマンに対して、セブンはもっとこう、じっくりと相手の手の内を探っているふうな、対峙する緊迫のひとときというのがよくあったと思います。 セブン登場→にらみ合う→さらににらみ合う→両者光線を撃つ!→セブン勝つ! みたいな、緊迫感があってシンプルな、いかにも宇宙人同士の「決闘」という感じでした。むしろ、光線技やアイスラッガーが効かない時、セブンはなかばヤケクソ状態で肉弾戦を挑んでゆきます。そして大概やられます。ペダン星人のスーパーロボットと戦った時なんてまさにコレでした。(もちろん全部が同一パターンという訳ではありませんが、私のイメージとしてはこんなんです) 正直言って、放映当時小学校2年生だった私は、セブンのお話が難しすぎてまったく理解できませんでした。となれば、あとはセブンの格闘 余談ですが、私は平成ウルトラセブンシリーズの戦闘シーンに違和感を抱いています。(平成の御代にセブンが創られ続けていることには、特撮の神様に感謝していますし、それがセブンである以上、私は支持しますが) ジュアア!ジュアア!と気合もろとも敵に突っ込んでゆくセブンのファイティングスタイルは、40年経ったとはいえ、とても同一人物のものとは思えないのです。(決して上西さんと北岡さんの話ではありませんが ^^;) 私なりに表現すれば、かつてのTV版セブンは「クールなシューター」平成セブンは「熱血ファイター」といった趣ですかね。
ウルトラセブンといえば「アンヌ隊員」です。 実を言えば私、セブン放映開始後もしばらく、科特隊フジ隊員の面影を追っていました。考えてみれば、Q以来桜井浩子さんはずっと私たちと一緒に怪獣と立ち向かってくれていたのです。私たちを庇ってくれる「やさしいお姉さん」だったのです。ウルトラセブンが始まり、ウルトラ警備隊の、ちょっと軍隊的な雰囲気の中、私たちを庇ってくれるやさしいお姉さんは・・・アンヌ隊員?「NO!」アンヌ隊員はどうしても「やさしいお姉さん」という雰囲気ではなかったように思います。フジ隊員に比べて背も顔も目も口もちっちゃくて、フジ隊員のようにぱぁっと明るく屈託無く笑うシーンが少ない。それに、アンヌ隊員はダンのこと好きだし・・・。 劇中、女性隊員本来のやさしさを引き出すアイテムとしての子供キャラ・・・フジ隊員にとってのホシノ君のような存在がアンヌ隊員にはいなかったことも原因のひとつかもしれませんね。子供といえば、ノンマルトの使者シンイチ君、心臓手術待ちのオサム君・・・どっちも彼女と友好的とは言えません。それにアンヌ隊員は直接子供と知り合いではなく、ほとんどが彼らのお姉さんと知り合いという間接的な知人であるケースが多いと思われます。(前述のオサム君しかり、隣の家が気になって仕方ないアキラ君しかり)つまり、アンヌ隊員は(当時の)私たち子供の方を向いてくれているお姉さん的存在ではなく、しっかりと大人の世界に住んでいる「女性」だったのです。やはり後年、セブンの再放送を見た私は、アンヌ隊員を見て「アンヌ隊員ってこんなに綺麗な人だったんだ」と思いましたね。特にウルトラ警備隊の質感のあるヘルメットを被った時の、ますますちっちゃく見える顔がとてもキュートでした。それに、とても戦士とは思えないお嬢様走りがなんともいえずかわいかったですね。そう言えば、リアルタイムでセブンを見ていたときのこと。何の回かは忘れましたが、物語のラストシーンでアンヌ隊員の後ろ姿が映し出されました。その時、私の後ろで見ていた若かりしお袋(えーと私が小2だからお袋は30半ばくらいかな)がしみじみと「いいスタイルやねぇ」と
ウルトラセブンについては、音楽についても是非語らせていただきます。 まずはオープニング。イントロ部分はドラマ同様スケールの大きさを感じさせてくれます。テンポの良い曲調と、主人公が遠い宇宙からやってきて地球人として戦っているという設定を短い文で見事に言い表している歌詞(♪はるかな星がふるさとだ ♪モロボシダンの名をかりて など)を大いに盛り上げているアレンジ。(遠い山の向こうからこだまのように響いてくる音はホルンかな?)私たちは、本編を見る前にこのテーマ曲によって完全にセブンワールドへといざなわれてしまいます。 市川森一さんのドラマ「私の愛したウルトラセブン」の劇中、円谷英二さんがセブンの試写室でこのオープニングを見た時、「音楽は冬木クンだったねぇ。いいねぇ」とポツリとつぶやくシーンがあります。よくぞおっしゃってくださった!やはりわかっていらっしゃる! もうひとつは劇中挿入歌「ULTRASEVEN」小学校の頃は英語の歌詞がわからず、はじめの♪ワンツースリーフォーばかり繰り返していました。単純な歌詞ですが、ジ・エコーズのコーラスが、セブンのハードボイルドな世界にとてもよくマッチしています。カッコイイ曲です。何度も何度も本編を影から盛り上げてくれたこの曲、「ウルトラ警備隊西へ前編」でポインターが六甲へ向かう場面や、「魔の山へ飛べ」のラストシーンなどが特にこの挿入歌にぴったりマッチした場面だと思います。死んだと思われていたダンが遠くから馬に乗ってやってくる「魔の山〜」のラストでは軽快なインストゥルメンタルにアレンジされていました。射撃の名手ソガ隊員が「ダン…ダンじゃないか。このヤロー!よくも俺に心配させやがって・・・」と拳を振り上げながら感無量の面持ちで走り出すあの名シーンを、さらに印象深くすることにひとやくもふたやくも買っています。ちなみに、セブンファンで有名な河内屋菊水丸さんのラジオ番組に出演された森次さんご自身も、この挿入歌を「好きだねぇ」とおっしゃっていました。
さて、ダンを慕うアンヌ隊員にとって、そして私たちウルトラファンにとって最も悲しい日がやってきました。 今まであんなに強かったセブンがいきなりヘロヘロになっているではありませんか。脂汗たらたら、目もうつろ。足取りはおぼつかず今にもひっくり返りそう。(それで宇宙パトロールに行くのだからスゴイっちゃスゴイよね) 結局ダンは、潜伏している子供の隠れ家まで駆けつけたアンヌ隊員にすべてを打ち明けてしまうことに・・・。光が反射してシルエットだけで語り合う有名なあのシーン(俳優さんたちがよほど綺麗な顔立ちじゃないとあれはできませんよね)は小学3年生の私の胸を締めつけました。「ダン、いかないで!」なりふりかまわずすがるアンヌの手をダンは振りほどきます。「アマギ隊員がピンチなんだよ!」そうだよなぁ。アマギ隊員にはワイルド星人の一件で命を助けられているからなぁ。 暗い材木置場で、すがるアンヌに背を向けてセブンに変身するダン。必死で戦ってそのまま宇宙へ帰っちゃった。この悲しい別れは、永く私の心にトラウマとして残ります。それまで、番組が終了する時というのはハッピーエンドか、主人公が死んじゃうか、あっさり放送を打ちきられてバイバーイって感じで終わっちゃうかのいずれかでした。すがって「行くな」と哀願するヒロインを、主人公がふりはらって去って行くような、血の出るような別れは、少なくとも子供番組の範疇では他に例を見ません。いくら疲弊しきって命にかかわる状態であっても、その去り方はやはり理不尽なものでした。(平成シリーズでのセブン(ダンじゃないよ)とアンヌの再会は、見ていてひっくりかえるほどあっさりしたものでしたが・・・。やはり子供を産んでしまうと、セブンとはいえ元カレ。アンヌの心はもうとっっっくの昔に今のダンナのものになっちゃったのね) さて、この私の心の深いトラウマを、なんと約30年後に癒してくれる番組が現れます! その名はウルトラマンティガ!(ではティガのコーナーでお会いしましょう) |