悪魔くん
1966年(昭和41年)10月6日 〜 1967年(昭和42年)3月30日 NET(テレビ朝日)系 毎週木曜日19:00 - 19:30 全26話
これ、当時は結構怖かったですよ。今あらためて見るとちゃっちくってアララ?って感じ(現在の特撮技術と比較してはいかんのでしょうが)です。しかし、当時の特撮番組としてエライ気合が入っていることはモノクロの画面からもひしひしと伝わってきます。 メフィスト役としては初代(お兄ちゃん)の吉田義夫さんよりも潮“地獄大使”健児さんの二代目(シガー・サルタン・モメット・メフィスト)の印象が強いですね。ちょっと凄みのあるお兄ちゃんより、キザな感じが好きでしたよ。初登場時のシルクハットは縞模様だし、魔方陣からいきなりエレキギター弾きながら出てきたりするんだからして。 ピンチの時もいい味出してくれました。雪女の呪術によってお腹をつららで刺し貫かれ、白目をむいて「ううっ」(口は思いっきりへの字!)そして反撃「魔力、ファイアー!」いいなぁ、何でもアリで。 この番組放映当時は、私たち子供にとって、チョコレートやキャラメルといったお菓子が手に入ると本当に嬉しいものでした。明治のマーブルチョコは定番中の定番。ロッテの板チョコ(ガーナセミスィートチョコ、ミルクチョコ、ブラックチョコ)や森永ミルクキャラメルなどもお菓子屋の正面に燦然と並んでいました。(ちなみに雪印の黄色いカップアイスは10円でした。よくお袋と食ったなぁ)というわけで、いい大人のメフィスト兄弟が「ソロモンの笛」怖さにいやいや悪魔くんにつき従うのはともかく、妖怪退治の報酬としてチョコレートを欲しがるというのは、今考えるとまったく馬鹿馬鹿しいと思いますが、当時の子供たちにとっては何の不思議もなかったというわけです。(悪魔くんがポケットから出した半分食べかけのチョコレートを嬉しそうにひったくるメフィストのなんとも微笑ましいこと。) そう言えば家に悪魔くんのソノシートがあったなぁ。青いソノシートで、中央に白いラインで漫画版の悪魔くんの顔イラストが入っていたはずです。悪魔くんのオープニングは当時としては非常に珍しくテーマソングというものが無かったのです。こうもりが舞う古井戸の底には、いきなりファウスト博士のドアップ。おどろおどろしい映像のバックには、呪文のように地を這う女性の低い歌声が流れていました。 オープニングから本編にかけて徹底的に地獄モードで綴られたこの番組・・・このままじゃ見終わった後もテンション低くって弱っちまうぜ。と思いきや、「予告編」の後のオーラス、エンディングテーマのこれまた底抜けに明るいこと!ラテン系のリズム。ヴォーカルショップの明るい男性コーラス。♪がんばれ悪魔くん、戦え悪魔くん♪ といった従来通りの番組名連呼型テーマ曲。(本来ならこれこそがオープニングテーマでしょう) いやぁ明るくって救われました。 で、件のソノシートですが、なんとA面のほとんどが呪文!!!!!!エロイムエッサイム・・・延々と続くのですが、はっきり言って最後まで全部聴いた記憶はありません。堪忍してちょ。 だけど、全シリーズ通していっちばん怖かったのは・・・ファウスト博士でした。(^0^;) |