〈実写〉美少女戦士セーラームーン
2003年10月4日 〜 2004年9月25日 MBS 毎週土曜日朝07:30より 全49話
任天堂のゲームキャラ「星のカービィ」のアニメが終了し、かわりに始まったのがコレ。事前に情報をつかんでいなかったので、イキナリ黄色の髪の実写版セーラームーンが現れた時は、しばらく口をぽか〜んと開けたまま見ていましたねぇ。セーラーマーキュリーはやっぱり髪の毛水色だし・・・。で、見終わった私の感想は「ふ〜ん、よくできているなぁ」というものでした。 まずは配役。よくまぁこれだけきれいな女の子を見つけてきたものです。普通、アニメの実写版に出てくるキャストって、綺麗な顔していても、どうしても生身の人間なのですよ。(当たり前だけど・・・) アニメキャラを(原作のイメージを壊すことなく)実際の俳優さんで再現するのは所詮無理なのだと思っていました。だけど彼女たちはよく笑い、泣き、恋をする生身の女性でありながら、とてもアニメ的で、セーラー戦士のコスチュームやとんでもない色の髪の毛をつけても嫌味や不自然さが感じられませんでした。しかも原作のイメージがまったく損なわれていない。これは驚きでした。 ☽丸顔で目が大きく、笑うとぱぁっと花が咲いたように明るくなるうさぎ。無邪気な中学生から、威厳のあるクインセレニティまでよく演じ分けたものだと感心しました。 ☽知的で内気でおとなしいけれど、実は一番色気がある亜美ちゃん。そこのところを知ってか知らずか、クンツァイトに見込まれて一時期ダークマーキュリーにされてしまいました。その間亜美ちゃん(=浜千咲さん)が本来内に秘めている妖艶さが表に出てきて興味深かったですね。 ☽キャラ的には最も原作に近かったレイちゃん。きりりとした正統派の美人でした。キッと流し目で敵を睨む表情など、中学生とは思えない大人びた雰囲気をまとっていました。(北川景子さんは、その後ハリウッド映画“ワイルドスピードX3”に大抜擢されました。やはり見出されましたね) ☽背が高くスタイル抜群のまこちゃん。人間関係で悩む木野まことと豪快なパワーファイターセーラージュピター、ふたつのキャラのむずかしい演じ分けをうまくこなしてくれました。第6話は、まこちゃんのせつない初登場回として前半で最も印象深いエピソードでした。うさ→亜美→レイと、新しい戦士が登場するたび好きなキャラがコロコロ変わっていた浮動票も巻き込んで、まこちゃんファンが激増したはず。 ☽なぞの多い戦士ビーナスは美の戦士。主役のうさぎと共に一番キャスティングの難しい役ではないでしょうか?生半可な可愛さでは視聴者は納得しないでしょうから。セーラーVとしての活発さと、戦士の先輩格ジュピターとしての風格、そしてアイドル愛野美奈子としての華やかさ。どれも、演じた小松彩夏さんに既に備わっていた要素ではなかったかとさえ思います。 それにしても、10代とはいえみんな現役モデルだから、着こなしやキメのポーズがバシバシ決まっていました。 この作品でデビューしたタキシード仮面役の渋江“イブキ”譲二さんはじめ、ダークキングダムの4天王たち男性陣も皆、役にふさわしい個性的な二枚目揃い。そして彼らの頂点に君臨したのがクインベリル役の杉本彩さんでした。いっちばんキレてぶっ飛んだキャラをやりたい放題し放題だった杉本さん!(若い4天王&エンディミオンを身近にはべらせてご満悦?)ま、はまり役っちゃはまり役ですわな。 その他にもうさぎのママ(GO-BANG'Sのヴォーカルの人!)亜美の冴子ママ(筒井 真理子さん)レイの隆司パパ(升毅さん)カラオケBOXクラウンの店員さん古幡元基くん(不機嫌なジーン、マイボスマイヒーローほか、セーラームーンの後もコンスタントに準主役級の役を得ている黄川田“新・1号ライダー”将也さん)美奈子のオカママネージャーと、芸達者な役者さんが続々ゲスト出演して、ツボに打たれた心地よい針のように脇を固めてくれました。 特撮物としてもよく出来ていましたよ。セーラー戦士たちの変身シーンや必殺技を撃ち出す際のアクションなど、たぶんアニメ版を参考にしているのでしょうが、CGがとても自然な処理に仕上がっていていい感じでした。ルナとアルテミスの2匹を無理やりCGなどにせず、あえてヌイグルミにしたのも面白い処理方法でしたね。 聞くところによると視聴率はイマイチだったそうですが、出来ばえそのものはアニメ版に負けないなかなかのスマッシュヒットだったと思います。OVAでも続編がふたつ作られていますから、結構コアなファンも多かったのでしょうね。 |