ウルトラマンシリーズ誕生40周年記念作品

映画 ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟

2006916公開


全国公開に遅れること1週間。ついに我が徳島でもこの映画が公開されることとなりました。高松まで見に行こうと企てていたぱごすけには何よりの朗報でした。特撮の神様に感謝!

 

【神戸という街】

われらウルトラ者にとって、神戸という街はもはや熊本、福島と並ぶ円谷特撮の聖地と言っても過言ではありません。過去のウルトラ作品においても、節目節目の大一番では、必ずこの地でロケを行い、前後編にわたるTVシリーズや映画の撮影が行われています。“隣県”徳島に住むぱごすけにとっては、唯一ウルトラマンを身近に感じられる大切な場所ということになるのです。

ある年の夏、家族で神戸のメリケンパークオリエンタルホテルに宿泊したことがありました。このホテル、ポートタワーのさらに海側、メリケン波止場の一部を埋め立てて1995年に開業したリゾートタイプのホテルなのですが、“ポートタワーのさらに海側を埋め立てて・・・”と言えば、ウルトラ者ならすぐにピンと来るでしょう?そう、ちょうどペダン星人のスーパーロボット、キングジョーが沈んでいるあたりなのですよ。 部屋の真下は神戸港。陽光を反射してきらきら光る海面を見ながら、私はそのはるか海底に沈む巨大なロボットに思いを馳せていました。大阪城、神戸港、六甲山など、身近な“古戦場”へ行くと今も心が躍ります。

そして今回の映画もまた神戸が舞台。円谷特撮のスタッフたちは神戸の街並みをミニチュアの世界へと見事にコピーして見せてくれました。星人たちが破壊してゆくのは、確かに「見たことがある」あの街並みでした。

それにしても神戸という街・・・ビル街はもちろんのこと、海(須磨海水浴場、神戸港、ポートタワー!)があって市街地のすぐ近くに山(六甲山や摩耶山)もある。六甲山には牧場や展望台やサーキットもある。須磨には水族園があって海が見えるリゾートホテルだってある。高速道路や新交通システム(神戸ポートライナー)がある上に空港までできちゃった。映画には出ていないけれど温泉(日本三古湯のひとつ有馬温泉!)もあるときてる。自然のおおらかさと最新の技術の結晶が同居する素晴しい街ですね。

【ウルトラ版オールスター夢の祭典】

まずTV版での主役たるクルーGUYSの隊員たちは、はっきり言って脇にまわっています。神戸全体がヤプールの怨念のエネルギーで封印されてしまい、突入できない彼らは文字通り「蚊帳の外」。一発の銃弾も放たず終わってしまいました。

ストーリーはウルトラ兄弟たちの活躍と、怪獣恐怖症に陥った少年の精神的復活のプロセスがメインの柱になっていました。ま、何といっても黒部さん森次さん団さん高峰さんのカッコよさだけ見ていても十分楽しめます。公式HPではあの方たちのことを「ダンディ4」と称していましたが、確かにカッコいい。その上劇中での存在感はケタはずれにデカく、メビウスにとってウルトラ兄弟の存在がいかに大きいものか、ひしひしと伝わってくるように思えました。

しかーし!この映画で一番ぶっ飛んだのは、エンドロールの映像でした。舞子ヴィラでのパーティでは、歴代ウルトラマンやダンディ4にまじって、フジアキコ隊員、百合アンヌ隊員、月から帰ってきた南夕子隊員にキカイダー01・・・いや、MATの南隊員までいらっしゃるではありませんか!!!!皆さんとてもゴージャスに着飾って楽しそうに笑っていらっしゃる。戦いから開放されて今はとても幸せそうでした。いやぁ、いいもの見せていただいた。あの集合写真、一枚いただけないかしら。

【激闘!!】

登場する星人たちがとっても邪悪で強そうなのです。嬉しくなっちゃいます。ガッツもザラブも、皆それぞれにおなじみの能力と戦法でウルトラマンに戦いを挑みますが、大画面の効果なのか、戦闘シーンが迫力満点で良かったです。オープニングの4兄弟の戦いは思わず「戦隊か!?」ってツッコミ入れそうになりましたし、クライマックスの神戸空港埋め立て予定地での6兄弟の戦いはCGメインで「アニメか!?」ってツッコミそうになりました。だけど、着ぐるみを使ったメビウス対星人の戦いは、まさしく“ウルトラ級”のド迫力でした。やっぱりウルトラは着ぐるみ使った肉弾戦ですよ。素晴しい格闘シーンを見せてくれたスーツアクターの皆さんと特撮スタッフに拍手です!

【原点に忠実】

オープニングの“ぐるぐる”タイトル文字。各場面でのBGM。初代マンのしわしわ顔など、随所でウルトラシリーズの「基本形」を忠実に踏襲していましたね。40周年記念作品という意義をとことん追求する姿勢はとても好感が持てました。これらはまさしく私たち年長組に対する配慮だと言えるでしょう。ただ、初代マンのしわしわ顔はちょっと不要ではなかったかと・・・。美しく光沢のあるマスクを造形できる今、あえてAタイプを復元させる必要があったのでしょうか?とても上手に歌える歌手が、あえて下手くそに歌っているようなわざとらしさを感じたのは私だけだったでしょうか?すべてを初期の設定で登場させる趣向なのかもしれませんが、ぱごすけ的には、あえて期間が短くコアなファンが多い(と言われる)Bタイプを忠実に再現してみせて欲しかったですなぁ。だって、次男の初代マンのほうが長男のゾフィ兄さんより老け顔だなんて・・・辛いッス。それと、タロウが光線放つ際「ストリウム光線!」って叫びますが、(そういえばTVでも何度か叫んでいましたなぁ)できればあれもやめて欲しかったなぁ。(まぁ、好みの問題なのかもしれませんから、一概に強くは言えませんけれど)

それにそれにそれに。本当に初期設定で再現するなら、月から南夕子さんを呼び戻して欲しかったです!オープニングでウルトラ4兄弟が戦っていたのは月ではなかったのでしょうか?もしそうなら、夕子姫はあの戦いを見ていたはず。地球の危機に、再び私たちの前に降り立ってくれても良かったのではないでしょうか?(今回、篠田“タロウ”三郎さんがスケジュールの都合で出演できなかったこともありますから、次回もう一度、もう一度本当のフルオールスターキャストで映画化して欲しいですねぇ。もちろんエースは「ウルトラタッチ」で!!!!!!!)

【そしてウルトラマンメビウス】

回を重ねるごとに名作へと昇華してゆく手ごたえを感じるメビウス。映画を観た翌日(9月30日:土)大画面の興奮さめやらぬ状態で観た第26話「明日への飛翔」は、フェニックスネストがフライトモードへと変形するサプライズもさることながら、サコミズ隊長以下クルーGUYSが最高に魅力的でした。ミサキ女史の笑顔と熱血、そしてメンバーに向けられた限りないやさしさが強く感じられて、ミライ(=メビウス)ならずとも「人間が好き」と言いたくなるエピソードでした。

 

観てよかったゾ「ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟」 死ぬまでウルトラじゃあ!

 

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