ウルトラマンネクサス

2004年(平成16年)10月2日 〜 2005年(平成17年)6月25日 TBS系列 毎週土曜日7:30 - 8:00(全37話)


ホビー系の雑誌で初めてこの作品の紹介記事を読んだとき「おお、カッコエエじゃないか」と思いました。ネクサスのルックスもさることながら、ナイトレイダーの隊員たちとそのコスチュームも結構ハードボイルドで私好みでした。ダムの底に潜む基地というのも「なるほどよく考えたなぁ」と感心していました。

 

けど、けどねぇ・・・。正直キツかったです。何がって・・・週末の朝一、起きてすぐ見るのが「バス乗客皆殺し」「一家全滅」「子供の目の前でビーストに食われる両親」などなど救いの無い虐殺事件の連続。見ているこっちの精神状態まで逃げ道のない袋小路へ追い詰められていくような錯覚に陥りましたね。(しかもこの時間帯、ついこの前までセーラームーンを見ていたのですよ)

大人の私が見ていてげっそりするようなエグいエピソードなのだから、小さいお仲間たちは完全にKOされたのではないでしょうか?(合掌)

頼りの防衛チームも、颯爽と怪獣をやっつけるのではなく、人知れず戦い、人知れず去ってゆくという隠密部隊で、へたをすれば目撃者を追い回して記憶を飛ばしてしまうという、ちょっと怖い一面も持っていたでしょ。ウルトラマンに変身するヒーローもころころ変わるし、小さいお仲間たちが登場人物に感情移入するにはちょっとハードルが高すぎたかも・・・。

さて、そのヒーロー。辛い過去やさだめを十字架のように背負う人たちにウルトラマンとしての「資格」が与えられていたようでしたが、姫矢クンや憐クンの悲しいエピソードだけならまだ許せたものを、孤門クンとリコチャンの「最初ほのぼの」のち「グッチャグチャ」恋愛話にいたっては、その陰湿さにただただ閉口するのみでした。

最近よくある「木曜 25時放映」とか、そういう深夜枠ならこちらもそれなりに身構えて見られたかもしれませんが、とにかく放送時間帯と内容がこれほどかけ離れた番組も珍しいですねぇ。

 

先にも述べましたが、正邪それぞれのウルトラマンはいずれもルックスが素晴しく、メカ(クロムチェスター)も個人的には歴代ウルトラメカで上位に入る気に入りようなのです。 ビーストも気合の入ったデザインだったと思います。ただ名前が覚えにくかったのと、何話にもわたって登場するため、印象に残りにくかったことが災いして、はっきり言って今「どのビーストが一番印象に残っている?」と尋ねられると残念ながら答えに窮してしまいます。

 

この番組終了(打ち切り)後、シリーズは限りなく明るいウルトラの王道をゆく「ウルトラマンマックス」へと続きますが、ネクサスはマックスへの踏み切り板的存在だったと考えれば少しは救われるのでしょうか・・・?(いや、それはちょっと無理があるよなぁ・・・)ただし、エグいならエグいなりに、最後まで一貫したベクトルを示しきった製作側の姿勢には敬意を払うべきでしょうね。(どうですか?響鬼スタッフの皆さん)

でもこの作品、すごくコアなファンがいそうだなぁ。(ファンの皆様、いろいろ言っちゃってスミマセン)

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