ウルトラQ

  昭和41年(1966年)1月2日(第一話) 〜 昭和41年(1966)7月3(第27話)

2011年5月27日(月)16:45より WOWOWにてハイビジョンリマスター版放送


ゴジラでもモスラでもラドンでもない、まったく新しい怪獣が毎週テレビで見られる。 それがいかに素晴しく重大な出来事なのか、当時の私にはまったくわかっていませんでした。 ただ、他のおおかたの友達と同じように、ゴジラなどの怪獣映画が大好きだった私は、当然のようにを欠かさず見ていました。怪獣が出る番組である以上、見ないわけにはいかなじゅんちゃん助けて〜!いじゃないですか。

確かに怪獣の迫力は凄かった。そして面白かった。だけどこれがハンパなく怖い。とにかく怖い!

出口の無い地底の迷路でいきなり襲い来る凶暴なゴメス。大きく膨張した金色のタマゴから生まれ出るナメゴンの大きな光る目。自分が乗ったロープウェイを一目散に追ってくる巨猿ゴロー。体を丸めて潜んでいる窪地の真上を通り過ぎてゆく巨獣パゴス。そして暗闇の中で静かに獲物を見下ろしているタランチュラ・・・。おっかねぇぇぇぇぇ!何度夢に見たことか。お堀に変なモノが・・・

当時、親父がアニメ特撮番組主題歌集のソノシートを買ってくれたのですが、ウルトラQ(大怪獣の歌。マーチ風のちょっとテンポの良い歌でした。途中怪獣の鳴き声が入っています。劇中ではまったく使用されていないはずです)だけはわざわざプレーヤーの針をはずして次の曲へ移っていました。怖くて聞きたくないものだから・・・。(ラインナップは他にエイトマン、おそ松くん、ポパイなどでした。ちなみにポパイの歌を歌っていたのは無名時代の和田アキ子さん!!!)

そんなに怖くて大好きなウルトラQも、たま〜に怪獣が出ない回があるのです。やはり欲求不満が残りましたね。なんだか1週間損したような。「悪魔っ子」や「変身」や「18計画」とか、脚本の面白さを楽しめる年齢ではありませんでしたので、つまらなかったです。その上、怪獣=巨大という公式が細胞のひとつひとつに遺伝子情報と一緒に組み込まれているぱごすけですから、等身大の怪獣では全然納得できませんでした。大きなヤツじゃないと嫌でした。名作と言われるカネゴンやピーター、ガメロンや人工生命M1号などは「怪獣じゃない」という判定で「好きリスト」からはもれなく漏れてしまいました。今もそうです。何せ遺伝子情報なのですから、そう簡単には変わるわきゃありません。DVD−BOXを買わなかったのも(既にいくつか持っていたことも大きいのですが)必ずしもすべてのエピソードが好きというわけではないからです。

余計な話ですが、同じ理由で〜dark fantasy〜もそれほど好きじゃありません。全シリーズのすべての場面の中で、第1話で天空からガラゴンが落下してくる何秒かのシーンだけが好きです。本格的な怪獣番組としての本領発揮シーンはあれだけでしたから。(まぁ、終わってから気づきましたが〜dark fantasy〜は怪獣番組ではなかったのですね)

ウルトラQに限らず、こういった昔のドラマをよ〜く見てみると、現在バリバリの大物俳優さんがチョイ役で出ていることがあります。ラゴンの卵を網で取り、親ラゴンを怒らせる原因を作った人騒がせな青年は黒沢年男さん。コーナーは違うけど、悪魔くんで「魔の谷」の回に、妖怪に絡め取られるまぬけな強盗団の下っ端役を、今や凄みのある脇役で有名な八名“青汁”信夫さんと石橋蓮司さんが演じていたりします。(笑います)特にウルトラシリーズは有名俳優のゲスト出演例に枚挙のいとまがなく、寺田農さん(ウルトラマン、ティガ、ダイナ、マックス)や“若大将の妹”中真千子さん(Q、セブン、ティガ)など、何十年にもわたってシリーズにゲスト出演し続けてくれる方々もいらっしゃいます。

最後に、ウルトラQがなぜ素晴しいのか?というと、怪獣が出現するまでのプロセスがしっかり時間をかけて描かれているからなのです。その怪獣は何なのか。どこから来たのか。なぜ怪獣になったのか。どうして暴れだしたのか。などなど、たま〜にこじつけっぽいこともありますが、しっかりと語られています。特に一の谷博士が訥々と語ると本当にリアリティが出るのですよ。これは第一期ウルトラシリーズ全般に共通して言えることですが、ウルトラヒーローのいないウルトラQの場合は、こういった要素がとても大切にされていて、むしろ撃退方法がはっきりしたら後は一気にやっつけてしまうケースがほとんどのように思います。やはり怪獣番組の醍醐味は、怪獣が「出るゾ〜」というドキドキ感を味わうことでしょうね。

ウルトラQ最高!

「死ぬまでウルトラ!!」

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